2023.6.26【僕らのノリカツ】

【開発秘話】マキカミブクロができたワケ

大阪の米袋メーカー「シコー株式会社」の白石社長がTwitterでバズっていた。

 

彼は、米袋をかぶっていた。


~米袋の用途を探せ!~

 

以前から米袋をなにか別の形で活用したいとお話されていたのでZOOMで米袋大喜利、もといアイデア出しとかしてたらこの大バズリ。なんで米袋かぶったの?

 

白石さんの投稿にたくさんの意見が寄せられ、ニュースサイトにまで取り上げられていくのを「なんだかすごいことになってるな」と指を加えてみていた数日後、「袋王」を名乗り出した当の白石さんからDMが。

米袋で薪袋を…?でもそういえばキャンプ場で米袋使ってる人見たことある気がする。「ずいぶん米が好きなんだなあ」とか思ってたけど、あれ薪を入れてたのか。ググったらキャンプで米袋を使うといい!みたいな記事も出てくるし、知り合いのアウトドア好きに聞いてみたら、「実際に使っている」という人がいる一方、「デザインが気になって使ってない」という声もありました。

 

これはもしかしたら可能性あるかもしれない。

 

また、当時の「ノリノリライフ」のプロダクトは安いものでも6000円オーバー。イベントなどで気軽に買える商品がないというのが悩みの種でもありました。シコーさんの米袋で薪袋を作ることができれば、これも解決するかもしれない!

 

こうしてアウトドアで使える米袋を開発するプロジェクトをスタートしました。

 


~米袋の技術を生かして~

 

商品開発ではメーカーがもつ技術を生かしたものにすることも大切です。従来技術から離れれば離れるほど、開発も製造にも時間が掛かり商品の価格に反映されます。なるべく既存製品の技術を踏襲しつつ、でも変えるところは変えないといい商品にならないので、バランスが超重要です。

 

では、シコー株式会社の技術的な特徴は何なのか?白石さんに聞いてみました。

 

 

◎ 底幅のサイズを変えられる
◎ 1つの工場で米袋のバンド(※)貼りまでできる
△  バンドの種類は変えられるが手作業
✖ 袋の素材を変えることはできない
✖   色を変える事はできない

※バンド:米袋の上部についている紙製の紐

袋王の話

 

なるほどなるほど。底幅のサイズを変えられるのは大きい。マチを広げれば、薪を入れてもコテンといかなくなるはずです。バンドの種類を手作業で変えられるのは面白いけれど、手作業の割合が増えるほどに商品の価格は高くなってしまうので実際に作ってみることに。

 

持ちやすくなるかもしれないと紙紐を太いロープに変えてみたけれど、実際に使ってみるとあまり持ちやすさが変わらないことが判明。手作業が入るので結構なコストアップにもなるということで、紙のバンドのままいくことにしました。

 


 

~完成、マキカミブクロ!~

 

そんな感じのやり取りをこっそりと続けること約1年。

完成したのがアウトドアで使える米袋、「マキカミブクロ」です。

 

マチが広く自立するのがポイントで、35cmの薪が約5kg入るサイズ。タフで水にも強いので薪以外にもいろんな用途に使える紙袋になりました。泥のついた野菜を保管したり、ランドリーボックスにしたり使い道はさまざまです。米袋とまったく同じやり方で持ち手を作ることもできます。


 

~アトツギの出会いが生んだプロダクト~

 

ちなみにこの記事を書いてる時点で、袋王こと白石さんとは一回もリアルで顔を合わせていません。やりとりはTwitterのDMと数回のオンライン会議だけど、Twitterでお互いの人となりが分かっていたのでスムーズに開発を進めていくことが出来ました。

 

地域も業種も違うアトツギ同士の不思議な関係から生まれたマキカミブクロが、アウトドアファンをノリノリにできたらオモロイなと思っています。

(マキカミブクロを被る白石社長と副社長)